2012年1月24日火曜日

奎の手料理






 息子(ケイ9才)が昨日今日と2日連続で夕飯を作ってくれた。

 
 わたしの右手のフォロー、というわけでは全然なく、

 夕方、水を飲むときに手近にあったガラスの計量カップで飲んだ彼が、

 「ボク料理に興味ある。今日は料理をしたい!」

 と唐突に言い出したのだ。


 計量カップを見る→→料理がしたくなる。

 この単純な思考回路。


 そんなわけで、昨日彼はピザを粉からこねてつくった。

 付け合わせのサラダと、簡単スープもひとりで。

 冷蔵庫から野菜を出すとか手伝おうとすると、

 「全部自分でやる。」

 という。


 プロは洗い物も同時にやるんだよ、と試しに言ってみると、

 使ったものの洗い物もやってくれた。

 洗いながら、

 「でもお店は洗う係の人がいるんでしょ」

 と鋭い指摘をされたので、

 「うん、でもひとりで切り盛りしてるお店は全部ひとりでやるんだよ。」

 とかろうじて答えた。

 「長男堂とか?」

 と、自分の知っているお店に当てはめて納得していた。

 ふう。3年生は、そんなにアホじゃないな。



 そして親はこういうとき、どんなに手を出したくても、

 ぐっとがまんするのがいいね。

 "ぜーんぶ自分でやった"ことが、こどもの自信になるから。

 
 今日は、図書館で借りてきた子供用のレシピ本を見ながら、

 「山芋ドリア」を作ってくれた。


 全部自分で作ったものは、やはり特別な様子。

 わたしが、食べながら自分のに塩をちょっとかけたら、

 「あ、味薄い?」

 なんて気にするので(作った本人は気になるよね)、

 「いや、ママは酒飲みだからさ(今飲んでるし)、飲まない人にはちょうど良いくらいだよ」

 とあわててフォロー。



 夕飯後彼は、やりきった感の顔で、

 「2日連続作ったから、2日休んでまた作る。」

 と言っている。


 ほんとかな。たぶんきっと、しばらく先だと思うけど笑。

2012年1月22日日曜日

シンクロ骨折



 先日のブログでわたしが挙げた"片手でできないこと"を読んだ福岡の妹から電話が来て、

 "左手の爪を、右手を使わずに切る方法"を教えてくれた(爪切りを床に置き、足をうまく使って切るという方法)。


 というのも、

 妹はひと月ほど前に右肘を骨折しており、

 右手骨折生活に関してはひと月先輩なのです。


 井上家(妹もわたしももう"井上"ではないけれど)的には、

 年末年始にいきなり姉妹で連続骨折するなんて、と大騒ぎだったけれども、

 片手生活にも慣れてきた今となっては、けっこう笑い話だ(妹の方が重傷だが)。


 
 そういうわけで、

 入院や手術や麻酔ややリハビリ、片手生活のあれこれ話で、電話でおおいに盛り上がる。なにしろお互いリアルタイムだから。



 妹の入院中、遠くてお見舞いに行けない代わりに、

 お気に入りの漫画や雑誌、好きな曲を集めたCDRなどに、お見舞金のポチ袋を添えて病院に送った。

 
 そしたらその後を追うようにわたしも骨折入院になってしまい(なんと妹の退院日と入れ替わり)、

 結局妹からも同じようにいろいろと送ってもらい、お見舞金もそのまま(ポチ袋を替えて)戻ってくるかたちになって、苦笑い。


 お 見 舞 い

 と、左手で書いたであろうヨレヨレの字が、かわいそう。


 よかれと思ったポチ袋が、すまぬ、逆に気をつかわせてしまうことになるとは。

 

 そんなハプニング的な今年のはじまりですが、

 これを種にして、

 ぜったいなにかいいことを実らせるぞ。

 もしくは、なにかの気付きのためのメッセージなのだったら、

 そのなにかにちゃんと気付くぞ。


 
 なんて思っています。



 ちなみに、"左腕をゴシゴシ洗う"は、ひと月先輩の妹もまだ無理だそうです(苦笑)。

 

2012年1月20日金曜日

隣りのベッドの男の子



 骨折の親指はまだ動かしちゃいけないんだけど、

 ほかの指は動かしといた方がいいので、

 自宅&ときどき病院でリハビリをしています。

 
 昨日病院に行ったら、

 リハビリ室で、入院中に隣りのベッドだった男の子(小学5年生)に会えた。

 うれしい。


 「おひさ〜」

 と小さい声で言われた。


 入院中の夜、彼のお母さんが面会から帰ったあと、カーテンの向こうの隣りにいる彼にとにかく話しかけたくてしかたなかったのだけど、

 知らない大人にかまわれても迷惑かも、とか、

 もし仲良くなっちゃったら、わたしが先に退院するときに逆に寂しい思いをさせてしまうかも、とか、

 いろいろ考えてしまって(まいにち葛藤)、

 結局、夜は話しかけないで、愛の気持ちを送るだけにしました。

 (朝、彼がわたしのベッドの前を通るときにすかさず声をかけてたけど。)



 小耳にはさんだところによると、

 彼はサッカーチームの試合中に骨折したらしい。


 あのこがグラウンドを元気よく駆け回ってる姿をみたいなあ、

 と、

 お隣のベッドで情がすっかり移ってしまったもうひとりのおかあさんは、思うのでした。 



2012年1月19日木曜日

片手でできることとできないこと



 骨折から2週間。

 左手での片手生活も、ずいぶんイタについてきました。

 不器用ながらお箸も使えるし、

 食器洗いも、米とぎも、洗濯も、洗髪も、掃除機も、ほかにも基本的なことはたいてい片手でできます。

 初期に苦労した、上着のチャックをカマして上げるのも、

 もう片手だけでできます。


 料理は、

 骨折前に茹でて冷凍しておいたほうれん草や小松菜、にんじん、いんげんなどに助けられ、

 夫が作る具だくさんみそ汁やカレーに助けられ、

 実家から冷凍便で届いた愛のコロッケ(元祖。今回は父がたくさん丸めてくれたらしい!)ほか、たくさんの母料理&食材に助けられ、

 毎日愛ある美味しいものを食べることができています。

 感謝。


 逆に左手だけではできない、と悟ったもの。


 左腕をお風呂でごしごし洗う。

 左手の爪を切る。

 ふきん等をしぼる。

 髪をゴムで結ぶ。

 納豆を混ぜる。

 野菜の皮をむく。


 です笑。

 今のとこ。


 ギターは、エレキをそうっと弾いています。


 ---------

 追記。

 これを書いた翌日から、

 納豆は混ぜられるようになりました(器を床に置いて、両足ではさんで混ぜるという方法)。

 りんごもピーラーを駆使してなんとかむけたので、ほかの野菜類もいけると思う。

 少しずつ能力アップしています笑。


 



2012年1月18日水曜日

入院記録



入院初日。

読みたい本たちや、マックブックに映画をいくつか用意してイン。

点滴針が太くて長くて痛くて、それをケガじゃないほうの手首に差されたものだから、結局両手が不自由になり、ごはんも上手に食べられないし、ズボンの上げ下ろしなども至難のわざだった。夕飯のときなんか、ほうれん草の和え物の器を床にひっくり返してしまい、傍目に見たらかわいそうな絵だったと思う笑。
(この太い長い針は、入院中ずっとー就寝中もー刺さっていることになり、そのうちそんな痛みには慣れてしまった)

カーテンの向こうのお隣りのベッドは、小学校5年生の、足骨折の男の子らしい。
姿は見えないけど、お母さんが帰る前にしくしく泣いていて、気にかかってしょうがない。おかあさんはとなりにもにいるよ(本物じゃないけど)、だいじょうぶだよ、と心で応援する。

夜、病院なんてこわくて眠れないんじゃないかと思っていたけれど、ぐっすり寝た。


入院2日目、手術。

はじめての全身麻酔。

"眠くなる点滴"というのを注入されながら、「一分くらいで眠くなりますよ〜」と言われ、まさかそんな急に寝ないよ〜、と思ったのに、次の瞬間、気付いたときには手術が終わっていた。

2時間のワープ。

超不思議体験だった。

麻酔後の少し朦朧とした頭で、今日出演するはずだった下北沢leteライブに、坂田くん、おおはたくん、よろしくね、と思いを馳せた。

術後のじんじんする痛みを、意識から切り離す試みで遠ざけながら、うつらうつらと眠った。



入院3日目。

手術前夜9時から当日〜翌朝まで絶飲食だったけれど、とくにお腹はすかなかったので、空腹の苦しみはなかった。

けれども35時間絶食後の朝食が、いきなり冷たい食パンと、コンビーフ煮と牛乳だったので驚いた。ぜったいお腹が驚くよねえ。
そんなパンは食べないで、前日に夫が持ってきてくれたおにぎり(生まれてはじめて作ったらしい)を食べた。


その後の入院生活は、映画を観て、読書をして、ときどき屋上に散歩に行き、

友だちがお見舞いに来てくれておしゃべりしたり、

息子がベッドの上げ下げボタンで遊ぶのを見て笑ったり、

日に日に車椅子さばきが上手くなってウロチョロしはじめた隣りのベッドの男の子に声をかけたりして過ごした。



5日目に退院して、病院から歩きはじめたとき、

「シャバに出た。」

と思った(し、言った)。


短い入院だったけれど、
シャバの空気はうまい、と、
うんと吸い込んだ。


そして、
世界はこんなにも美しい、
と、あらためて思った。

2012年1月17日火曜日

退院しました



 おかげさまで、無事手術も終わり、退院いたしました。

 ご心配、ご迷惑をおかけしてしまい、大変申し訳ございませんでした。


 親指はまだ固定中で動かせませんが、身体はとても元気です。

 お酒もずっと飲んでないので、骨折前よりだんぜん健康になってるような感じです。

 
 短い入院でしたが、

 はじめての体験ばかりで、とても興味深かったです。

 入院記は、またゆっくり書きます。


 ギターは、とりあえずギプスのまま弾いたりしてます。
 (ものすごくミュートな音になります)


 とにかく骨くんが早く元通りにくっつくように、

 イメージング&親指安静でしばらく過ごします。


 みなさんたくさんのメッセージ、どうもありがとうございました!


2012年1月7日土曜日

お知らせ



 右手親指を骨折し、来週手術&入院ということになってしまいました。

 そして1/13(金)leteでの坂田学さんとのツーマンライブに出演できなくなってしまいました。

 楽しみにしてくださっていた方々、ほんとうにごめんなさい!!

 小さな骨折なのですがこんなことになってしまい、相当ヘコんでます。。

 


 けれどもわたしの代わりに、急遽おおはた雄一くんが歌いに来てくれることになりました!

 何年か前に一緒にツアーをまわったときに、

 雰囲気がなんとなく似ているので"姉弟"と言われたりした弟的存在のおおはたくん。

 忙しい中、今回のわたしの突然のお願いを快く引き受けてくれました。

 ほんとにどうもありがとう!!

 
 「坂田学&おおはた雄一」、わたしが聴きに行きたいくらいです笑。


 みなさま、大変ご迷惑をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。


 坂田くんとのツーマンライブは、ケガが治り次第、もう一度企画させていただきます。

 
 坂田くん、leteのまちのさん、おおはたくん、お客さまたち、

 本当にごめんなさいです。

 良い夜になりますよう、心よりお祈りしています。


2012年1月1日日曜日

明けましておめでとうございます。


 いつもどうもありがとうございます。

 今年も、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 今年は、久しぶりにお正月料理をしました。



 朝から飲んで、漫画を読んで感動して泣いて、

 そんな一年の幕開け。


 今年はこれまでにも増してゆるさ全開で行こうと思います。


 なんにも制限がなくて、

 みんなしあわせで、

 無理とか我慢とか忍耐とかそういうのナシで。


 自分がどういう自分でいたいかを選択するだけ。

 一瞬一瞬。


 
 みなさんにとって、

 光り輝く一年でありますように。


 続けてきた東北への寄付活動は、

 今年も続けていきます。