2007年8月23日木曜日

髪を切りに

  
 いつもの、武蔵小金井の美容師、Sさんのところに行ってきた。

 急に「髪を切りたい」と思い立ち、電話してみたら、いつものようにちょっと先までは空いてなく、まあそうだよな、と思って、ではまたの機会に、と電話を切った。

 しばらくして、Sさんの方から、夕方から空いたのでどうぞ、と電話がきた。

 なんて幸運。

 夕方から友だちが奎を預かってくれたので、心おきなく出かけた。

 いつもの、素敵な香りの、鏡ひとつ、椅子ひとつの部屋。

 入るなり落ち着く。

 静かに、ジョニ・ミッチェルの歌が流れている。

 Sさんは、わたしの髪をさわり、

 こどもみたいな髪ですね、

 と言った。

 こどもみたいにいい髪です、と。

 そんなこと今まで誰にも言われたことない。

 そうして、

 今日の、わたしからかけた電話の声が、とても良かったです、

 と言った。

 そんなことも、誰にも言われたことがない。

 Sさんは、いつも、詩のように、言葉を発する。

 
 そういうふうに、ポツリ、ポツリとまたいろんなおしゃべりをしながら、髪を切っていく。

 
 彼は、髪をさわるとその人の状態が分かるらしく、彼が言うには、今のわたしは、"とてもいい"状態だそうだ。

 前回行ったときは、自分でも気付いてなかったような"芯の疲れ"を言い当てられた。

 むむう、スピリチュアル。

 いつも、彼の言葉と、その空間と、そして、髪を切ってもらう行為で、心から、癒される。
 
 今日は、髪にパーマのくるくるをつけてる状態のときに、

 夕やけがきれいですよ、

 と外に誘ってもらい、この上なく美しい夕やけを見た。

 髪にくるくるがついていても、その夕やけは、確かにわざわざ外に出て見るべき夕やけだった。

 そんな自由さも、うれしい。

 
 Sさん、今日もどうもありがとう。

   

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