2007年9月17日月曜日

ひょっこりぎょうてん

 
 夕方、

 ひょっこりぎょうてんジーマっ♪

 ひょっこりぎょうてんジーマっ♪

 と、息子(5才)が急に歌い出した。

 どうやら、おとなりのおばちゃんから教わってきたらしいのだが、いつのまにか記憶が違っちゃったらしい。

 おもろいので訂正せず、そのまま歌わせておいた。

 すると、

 ひょっこりぎょうてんジマって、なに?

 ひょっこり、ぎょうてん、な、シマなのかなあ?シマって、島のことだよねえ?

 とその意味について質問してくるので、とにかく笑いをかみ殺しながら、

 うーん、そうなんじゃない、とさりげなく返事しておいた。

 そして、彼はまた歌い出す。

 ひょっこりぎょうてんジーマっ♪

 ひょっこりぎょうてんジーマっ♪


 しばらく経って、そのほとぼりも冷めた頃、わたしが夕飯を作っているときにまたその話になり、夕飯作りながらだったので、ひょっこりひょうたん島、とつい口をすべらせてしまった。

 そのときの、息子のハっとした顔。

 いま!いま、ママ、なんて言った!?

 真剣な顔。

 なんか今、ママがなにか大事なキーワードを言ったぞ、ものすごくものすごく気になるワードだったぞ、と彼の小さな頭の中でなにかがグルグル渦巻いているに違いない。

 わたしがはもうおかしくて仕方がないのだが、ぎょうてんジマ、を気に入っているので、

 ぎょうてんジマ。

 と、改めて答えながら、ブっと笑ってしまった。

 ますます怪しい。

 息子は、台所に向かっているわたしの顔を覗き込み、

 ううん、なにか、違うこと言ったじゃん!なにか、その、ひょ、とか...。

 と詰め寄る。

 いいや、ぎょうてんジマと言った、と答えながらわたしはまた吹き出す。

 息子もつられて笑うが、なにか腑に落ちないまま、ぎょうてんジマ、ということでなんとか落ち着いた。

 ふう、危ない。

 しばらくは、笑えるね。
  

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