13年前の、少し寒い、ときどき小雨の降る夜。
彼が生まれてくる直前の数時間、わたしは自分の小さなからだの中で、なにかとてつもなく大きなうねり、大地のような、海のような、うちゅうのような、なにか大きな力がとにかく湧き上がってくるのを感じていた。
ぐおんぐおん、と。
自分の中から湧き上がる、そして突き上がってくる猛烈な、野性のような感覚。
圧倒されるようなそのエネルギーに、参ってしまいそうだった。
そして、そこに時間は存在していなかった。
そこだけ時間がぐーんと引き延ばされたような感覚で、今が一体何時なのか、どれくらいの時間が経ったのか、今日なのか、明日なのか、まったくわからなかった。
やっとその大きなうねりと自分とのタイミングがなんとなく分かりはじめた頃、ひときわ大きな押し寄せるうねりの波に乗って、彼は生まれたのでした。
産み終えて、まさにボロぞうきんのような状態だったときにいただいた、助産院の方が出してくれた夜食のおにぎり、美味しかったなあ
そんなことを思い出しながら、今日もわたしは彼の大好きなチョコレートケーキを焼く(わたしがこどもの頃に母がよく作ってくれた、甘みをおさえたレシピ)。
13年間、わたしのそばで健やかに育ってくれてありがとう。
とても愛おしい気持ちが湧いてくるとき、この気持ちはどこからくるんだろう、と、ときどき思う。
わたしの奥の、大地や海や宇宙とつながっているところから、こんこんと湧き出す感じ。
その愛を通して、地球や宇宙や、根源のエネルギーのようなものと、つながっているような気がする。
風にゆらめく美しい木の葉を眺めるときも。
朝の小鳥のさえずりに耳を澄ますときも。
愛おしいわが子をみつめるときも。
3 件のコメント:
息子さん
お誕生日おめでとうございます。
イノトモさんの愛溢れる言葉に、今回も心が温まりました。
すべてのお母さんは、お子さんに対して、このような気持ちで日々いらしてるんでしょうか。
まだ子供を持ったことがないので妄想しかできないのですが、そうだとしたら本当に素晴らしいですね。
わたしも子供を持ちたいと思う今日このごろです。
素敵な五月の風が、イノトモさん家族を優しく包んでくれますように。
もうちょー さん
素敵なコメントありがとうございます。
すごーく忙しいお母さんや、自分自身が傷つきまくってるお母さんとかは、もしかしたらそんな気持ちを感じる余裕がないかもしれませんが、きっとみなさんそれぞれの愛し方で、それぞれのお子さんたちを愛していることと思います。
子供がいなくても、近所のノラ猫ちゃんや、飼ってるわんこ、金魚、亀、ベランダの植物、木にとまってる小鳥、どんな存在にもそんな気持ちを感じる瞬間はあると思います^ ^
イノトモちゃん
久しぶりにイノトモちゃんのブログへ遊びに来ました。
変わらず、けいくんとイノトモちゃんの温かな日常をチラッと拝見できて、こちらも温かな気持ちになれました。
お元気で活躍中ですね。
また、ライブに伺いたいです。
我が家、引っ越しましたが同じ三鷹市内です。電話番号も変わっていません。また遊びに来てください!
チロリも変わらずボブです!!
ふじのとしえ
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