2016年1月13日水曜日

友人との再会

 
 10年以上も会っていなかった親友が、

 突然朝に電話をくれた。
 

 久しぶりに聞く声は昔のままで、

 向こうもわたしの声を聞いたとたんにほっとしたようだった。


 たぶん、会っていなかった10年の間に、たくさんのことがあったのだろう。

 そんなに長い間会わなかった理由は、わたし的にはとくになく、いつのまにか時間が経ってしまった、という感覚。

 大切な友人、と思っている人でも、こちらから会おうよと自発的に連絡することはあまりないので、相手から特段連絡がなければ、自然と会わない年月を重ねることになる(何年会っていなくてもわたしの中で大切な人なのは変わらない)。


 彼女は10代後半からかなりの時間を一緒に過ごした特別な存在。

 けれどもお互い結婚して、遠めの場所に住んでいたのでなんとなく疎遠になる中、ここ何年かは、かわいい子供たちの写真入りの年賀状も来なくなり、もしや離婚でもしたかな?なんて思いつつ、とくに詮索もせずそっとしていた。


 そして、10年以上ぶりの突然の朝の電話。

 着信の名前を見て、うれしい気持ちと同時に、急過ぎて心配がよぎる(身内が亡くなったとか!?)。

 とりあえず誰かが亡くなったとかではないようでほっとひと安心、でも聞いてもらいたい話があるようなので、彼女の仕事終わりの午後に、会う約束をした。


 久しぶりに会った彼女は、

 昔とそんなに変わらない感じだった(たぶん多少の時を経た感はお互いにあったと思うけれども)。


 そして今の彼女のもっぱらの悩みは、3日前の失恋、だった。

 やはり離婚はしていたようだが、離婚のときじゃなくて、最近の失恋で連絡が来たことに笑った(笑い事じゃない、と言われたが)。

 
 錦糸町のファミレスで、

 会わなかった時間を埋めるように話し続け、

 気付くと4時間くらい経っていた。

 
 彼女といると、

 昔の自由奔放で無邪気な自分に戻れる感覚がうれしい。


 途中、ふたりの変わらぬ友情を確かめて、

 お互いちょっぴり涙する場面もあり。


 失恋のとき、イノトモはどうやって乗り越えたの?

 と彼女が聞くので、

 ひたすら絵や詩を書いていた

 と、当時を思い出して答えると、

 わあ そのときの絵、いまだにひとつ持ってる

 と彼女が言い出し、

 そのバカバカしいタイトルや絵の様子を描写しはじめるので、

 それはもう捨ててくれ、

 と頼んで、ふたりで笑った。
 

 そんな中彼女は、書きたい気持ちを猛烈に思い出したようだった。

 (もともと物書き志望だったのに、それをずっと封印して暮らしていた)


 今こそ書くべきだ!

 と背中を押し、

 駅のホームでで別れた。


 帰り道、彼女がまたわたしの人生に戻ってきてくれたことにしみじみと感謝しながら、

 彼女がいろいろな面で癒されますように、と祈った。


 
 

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