郡山ラストワルツ

　
　ツアー最終日は、郡山ラストワルツ。


　このお店は、イノトモバンドでの石巻・仙台・郡山ツアー以来、なんと15年ぶり。

　そのときちょうどお腹に子供がいて、妊娠3ヶ月くらいだった。

　つわりで眠くて眠くて、ライブが始まる前に伊賀さんのウッドベースのケースで寝ていたことを、店主の和泉さんは覚えていてくれた。

そのときの写真が出てきた。

　その時お腹の中にいた子が、ご無沙汰していた間に今や中学二年生だ。

　時の流れに、ぎょっとする。


　こんなに長くご無沙汰していても、和泉さんは暖かく迎えてくださり、ありがたかったなあ。

　ツアーというのは、地方地方の好きな人たちに会いに行くということでもあるなあ、こういう縁を本当に大切にしないと。と、改めておもった。


　ライブは、3日目ということもあり、一穂くんやひかりちゃんとのセッションもますます息の合ったものになった。

　和泉さんのお誘いで来てくれたという"上でおにぎり屋さんをやっている"おじさんが、帰り際に、私の歌で少し泣けたと声をかけてくださった。

　私のことなど知らなかっただろうに、そのおじさんの心に、"なにがしかのじーんとしたもの"を届けることができたのだとしたら、とてもうれしい。

　ライブ後は、ラストワルツの美味しいごはんを頂きながら、みんなでわいわい。

和泉さんと、OldShepの伊藤さん。

楽しかったな！


　この旅の間、オープニングアクトのひかりちゃんはずっとかわいくて、

　ライブ前に急に自信をなくしてポロポロ泣いたり、

　私の部屋におしゃべりしに来たり、

　ライブで急に大胆になったり、

　24さい、いいねえ〜　と、

　だいぶんお姉さんのわたくしは、微笑ましく見ていたのでした。


　一穂くんは、わたしより少し年下なのに、

　いつもなにかどっしりとした説得力、のようなものをまとっていて、

　ときどきふいに彼にねえさん、と呼ばれたときは、

　そっちの方が精神的にはだんぜん兄さんやけどね、と心で思っていた(笑)。


　そして一穂くんはこの旅、ずっと車を運転してくれていた(私もひかりちゃんも免許がない)。ぜんぶで1000㎞くらい走ったらしい。

　ツアーの企画から宿の手配、お店の人たちとのやりとり等、何から何まですっかりお世話になっちゃったなあ。

　ほんとにどうもありがとう。

　毎日聴けた歌もほんとに素晴らしかった。　


　しあわせな旅だった。