2007年7月8日日曜日

キミが見る夢

 
 キミが見る夢は
 どんな色でしょう?

 最近作った歌の冒頭。

 これを部屋で歌いながら息子(5才)に、

 これは奎の歌なんだよ〜

 と言うと、

 息子はものすごくうれしそうにして、一生懸命、歌の続きを聴く。

 それ、ぼくのこと?キミって、ぼくのこと?

 と確かめながら。

 歌に自分が出てくるって、すごくうれしいんだなあ、と思いながら、促されるまま今まで奎に作った歌をいくつか歌う。

 彼はとても満足げ。


 そして、さらに昔のわたしの曲を聴きながら、

 この歌のキミって、ボクのこと?

 と聞くので、いや、この歌を作ったときは奎は生まれていないよ、と答えると、

 でも、この歌も、ボクのことってことにしていい?

 と聞いてくる。

 うーん構わないけど、これ、別れの歌だよ、それでもいいの?

 と聞くと、

 それでもいい、と彼はきっぱり答えた。


 それほどに、わたしの歌う対象は、彼にとって重要なんだね。

 
 ライブのときに、ママ行かないで、とベソをかかれると、本当に複雑な気持ちになる。
 
 歌はわたしにとっての喜びだ。そして、聴きにきてくれる誰かのためでもある。でも、大事な息子に淋しい思いをさせている。それはどうなんだ?と、ときどき自分に、問う。

 けれども、わたしは歌いに行く。別れ際はかわいそうに思ってしまうけれど、家を出てしまうと、後ろ髪はひかれない。心はライブにまっすぐ向かう。

 そして、息子よ、どうか分かってね、と思う。

 わたしは、家族を愛し、そして、歌うことも、同じくらいにとても愛しているのだよ、と。

 そうして、ステージで歌って、何かを発散して、心を充電して、また、健全な心でキミを愛せるのだよ、と。
 
 わたしが歌う"キミ"は、奎のことばかりではないけれど、でも、世界で一番愛しているよ、と。


 けどそれにしても、自分が歌に登場したり、母さんが夜ライブでいなかったり、彼にとってはいろいろな気持ちだろうな。

 どうかそれでも、スクスクと育っておくれ。

 

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